ラクチパンノキの実の味と健康効果



桑の特性について

 

 

基本的に桑(クワ)は温暖地方のクワ科の植物ということですが、前述した含有成分による、「血糖値の上昇を抑える効果」、「コレステロール値を下げる効果」などが考えられています。ただし、人間でのそうした有効性については残念ながら正式なデータがなかなか見当たりません。

 

また、桑の葉は茶の代用品にもなっていたそうで、いわゆる「桑茶」が飲まれていた地域もあるようです。今も市販されているようで、葉は若くて柔らかいものは天ぷらにして食べることもできます。

 

桑の葉には近年の研究で「1-デオキシノジリマイシン・DNJ」が含まれていることが明らかになっています。DNJというのはアザ糖類の一種でブドウ糖の類似物質のことです。ちょっと難しい話になってきますが、これが小腸で糖分解酵素のα-グルコシダーゼと結合する事でその活性を阻害するのです。そのためにスクロース、マルトースの分解効率が低下するので、その結果、血糖値の上昇が抑制されるというわけです。

 

これは明らかになっている効果と言うことで、蚕は桑を餌としていますが、この蚕のフンを乾燥させたものは漢方薬の蚕砂となっており、同様の効果があると考えられます。ずばりラクチパンノキの健康効果ということはできないのですが、こうした系統の植物であるということは間違いないでしょう。