希少な果物
日本では殆どの人がその名称を知らないであろうラクチパンノキは別和名でリンゴパンノキとも呼ばれるインド、東南アジアを原産地とする果物です。タイでは東北部と南部に多いそうです。
クワ科で高さ20~25mにもなる落葉樹です。幹は直立で葉:単葉、長さ30cmの卵形です。花は雌雄異花同株で雄花序、雌花序は葉腋に混在しています。果実は複合果実で可食です。花は2~4月に開花します。
実はこの果物、美味しく食べるというよりも、木も含めて他の用途でいろいろ活用されています。植物染料として黄色の染色にも使われますし、木材は建築、家具、楽器などに利用され、果実は食用になります。タイ東北部のカーラシン県では県木に指定され親しまれています。
さて、果実についてですが、もともと果実は桑の実の中です。桑の実はマルベリー(Mulberry)と呼ばれて、各地方では桑酒と呼ばれる果実酒の原料にもなっています。その果実自体は甘酸っぱくて、美味だそうです。
ポイントは高い抗酸化作用で知られている「色素・アントシアニン」などのポリフェノールを豊富に含有している点です。これは桑の実全般という特性という事で解釈してください。ラクチパンノキはかなり特殊な果物なので、個別での詳しい成分分析はされていないようです。